公開研究会『道徳的保守と性の政治の20年—LGBTブームからバックラッシュを再考する』

経済系メディアの特集を皮切りとする2010年代日本での「LGBTブーム」では、性的少数者の政治とマーケットの要請との関わり方が、しばしば問題になってきました。一方で「ダイバーシティ」や「ピンク・マネー」などのもたらす経済的利得を押し出して性的少数者への理解と受容を高めようとする戦略があり、他方で「市場の論理」への過剰な期待と依拠とは性的少数者の中にいわば「特権層」を生み出すに過ぎないという批判がある、というこの対立は、今世紀米国を始めとする世界各地の性的少数者の運動に見られるものです。
その裏で、性の政治にしばしば大きな影響力を持ってきた道徳的保守派の存在は、2010年代の「ブーム」においてあまり語られることがなかったように思われます。けれども、「伝統的」家族形態とそれを支える異性愛的ジェンダー規範との擁護を掲げる道徳的保守派の主張との対立や交渉は、女性運動やフェミニズム、ゲイ・リブやレズビアンの運動などの歴史において、常に重要な一面であり続けてきました。
トランプ政権の成立によって米国における性的少数者の政治が再び道徳的(そして宗教的)保守派との対立の色合いを強め、日本国内でも「伝統的」家族主義の強化を目指す政策が次々と打ち出されつつある現在、私たちは改めて、日本における性の政治が道徳的保守派の主張とどのような関係を持ってきたのかを、確認しておく必要があるのではないでしょうか。
本研究会は、道徳的保守の主張が性の政治に対して明確に大きな打撃を与えたもっとも近年の例として、今世紀初頭の「バックラッシュ」を再び見直すところから出発します。バックラッシュにおいて性的少数者はどのように位置付けられ、その位置付けは「バックラッシュ」と「フェミニズム」の双方にどのような効果をもたらし、そのことは性的少数者の権利保障にどのような影響を及ぼしたのでしょう。そして、当時の政治的、社会的状況から、現在の私たちは何を学ぶことができるのでしょう。

 

皆様どうぞお越し下さいませ。

 

日時:2017年8月5日(土) 14:00-17:30

場所:東京大学駒場キャンパス18号館 コラボレーションルーム1

(建物内エレベーター有。1階にユニバーサルトイレ有。)

登壇者:
飯野由里子(東京大学、クィア研究/ディスアビリティ研究)
遠藤まめた(「やっぱ愛ダホ!idaho-net」呼びかけ人代表)
山口智美(モンタナ州立大学、フェミニズム研究)

司会:清水晶子(東京大学、フェミニズム/クィア研究)

予約・参加費不要

科研費挑戦的萌芽研究「性的少数者の政治と多様な諸身体の連帯及び共存をめぐる現状分析と理論構築」研究事業

 

ポスターはこちらからPDF版がダウンロードできます。

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「クィア・リーディング連続公開研究会」第六回

「クィア・リーディング連続公開研究会」第六回を開催します。年末ですがご参加お待ちいたします。

日時:2014年12月21日(日) 14:30~17:30
場所:中央大学 駿河台記念館 570号室
報告者:井芹真紀子
タイトル:「超えることのできない断絶」としての〈身体〉ーFélix González-Torresにおける「病」と「死」

概要:本報告では、自己の物理的生存を脅かすような「病む身体」の経験を、80年代エイズ・アートの系譜に位置づけられるFélix González-Torresの作品を手がかりに考える。80年代のエイズ危機は(身体)境界の侵犯や越境という、クィア理論がその成立当初からとってきたひとつの方向性の起点となる一方で、それは痛みや急激な衰弱を伴う「病」の経験であり、また「死」の共有(不)可能性がもたらす「超えることのできない断絶」として現れる〈身体〉の経験だったのではないだろうか。身体境界や感情/感覚、衰弱(infirmity)と時間性など、様々な観点から議論を行いたいと思っています。

コア・テクスト:
Félix González-Torres. ‘Untitled’ (Perfect Lovers), 1991.
Félix González-Torres. ‘Untitled’ (March 5th) #2, 1991.
Félix González-Torres. ‘Untitled’ (Bloodworks), 1989.

参照文献:井芹真紀子、「フレキシブルな身体:クィア・ネガティヴィティと強制的な健常的身体性」、『論叢クィア』、クィア学会、第6号、pp37-57、2013

☆ 出来るだけ事前に読んでから参加してください。コピーが必要な方は事前にお知らせください。

主催: 中央大学人文科学研究所「性と文化」研究チーム
(チームメンバー(50音順):大田美和、米谷郁子、近藤弘幸、坂本美枝、清水晶子、長島佐恵子、森岡実穂)

☆「性と文化」研究チームは、2007年に発足以来、ジェンダー/セクシュアリティ論やクィア理論について、文学研究・表象分析の領域で研究活動を続けています。2013年3月には、研究成果をまとめた論集『愛の技法―クィア・リーディングとは何か』(中央大学出版部)を出版しました。2013年秋より、関心を共有する研究者(大学院生含む)を対象に、具体的なテクストを取り上げて「読みの実践」を検討する連続研究会を開催しています。参加者には事前にコア・テクストをお知らせし、当日報告者が紹介する読解に対して自由に意見を出し合い議論できる、ワークショップ型の集まりです。皆さまどうぞ奮ってご参加ください。

参加は予約制ではありませんが、会場準備の都合上、出来ましたら参加希望をメールでお知らせください。参加希望のご連絡およびお問い合わせは<queer.reading あっと gmail.com>まで。

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『OUT 10代レズビアンのストーリー』&トークライブ

2014/3/15(土)13:00-17:00(12:30開場)@早稲田奉仕園スコットホール(aka日本基督教団早稲田教会)

トークゲスト:イ・ヨン(『OUT』監督)、イム・ボラ(韓国基督教長老会牧師)、堀江有里(信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会(ECQA)代表)

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「差別おとといきやがれプロジェクト」第一回企画!
韓国ドキュメンタリー映画『OUT 10代レズビアンのストーリー』と、監督を含む3人のゲストのトークライブ!!!

韓国と日本。セクシュアリティ。キリスト教。
この3つって関係ある?関係ない?
私とは関係ある?関係ない?
・・・あなたも一緒に確かめてみませんか?

【入場料:前売り800円 当日1000円】
前売りをご希望の方は前日までにメールもしくは電話にて
お名前、電話番号、予約枚数をお知らせください。
お支払いは当日でOK!
Eメール:ototoi.kあっとまーくgmail.com
電話:03−3209−8366(早稲田教会 ありずみ

【日時】
2014年3月15日(土)12:30開場、13:00開演
前半は映画の上映、後半はゲスト3人によるトークです。

【場所】
早稲田奉仕園スコットホール(aka日本基督教団早稲田教会)

※当日はボランティアによるノートテイクを予定しています。

〜映画について〜
韓国ソウル在住、レズビアンである10代の3人がセルフカメラで撮った3本のオムニバスドキュメンタリー。彼女たちはそれぞれのアイデンティティ、学校でのアウティング、家族との関係などに悩む。彼女たちの手に握られたカメラは、それぞれの悩みを拾い、整理し、解決へのヒントをくれる”鏡”になり、差別と孤立を強要する社会へ疑問を投げかける”口”となる。

〜ゲストについて〜
イ・ヨン
『OUT』監督。映像制作を通じて女性運動を創出することを目指す「女性映像集団WOM」を結成。WOMはWOMANの男性中心性を覆し女性主義で再解釈した、主体的かつ創造的な女性を意味する。

イム・ボラ
韓国基督教長老会牧師。韓国国内を中心にキリスト者の立場で性的少数者の支援に積極的に関わっている。性的指向などの項目を削除した差別禁止法案への反対運動にも関わり、「差別のない世界のためのキリスト教人連帯」の共同代表も勤めた。

堀江有里
信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会(ECQA)代表。日本基督教団牧師(無任所教師)。1994年から性的少数者のピア・サポートや相談業務に従事。趣味は単車、ハードロック、女子プロレス観戦など

 

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