クィア理論入門公開講座
クィア理論入門公開講座は、
1. クィア理論の学術的知見の共有
2. 社会のニーズを取り入れたクィア・スタディーズの教育研究の発展
の2点を目的として、2010年から毎年秋に6回を1タームとして開催されています。
2020年度より第二期に入ってます。
2020年度は2021年の早春にzoomにて実施します。
学術的知見と人々のニーズの相互共有
受講者:クィア・スタディーズの学問的知見を知り、互いに語り合う場を持つ
院生:クィア・スタディーズに期待されているニーズを知り、教育職につくための訓練をするとともに、自らの博士課程研究をクィア・スタディーズの学術史に位置づける
教員:日本のクィア・スタディーズに期待されている役割を知るとともに、クィアな教育法の可能性を探る
特色
発信ではなく相互教育:一方向的な知見の伝達ではなく、三者の議論を通じて学術文献から得られる知見と日本における喫緊の諸課題との接点を明らかにする
場の共有:通える範囲の人々を対象としたローカルな場を設定する
主催
2010年〜2012年 科学研究費補助金(基盤C)「日本におけるクィア・スタディーズの展開」研究グループ(〈クィアと教育〉部門)
2013年〜 科学研究費補助金(基盤B)「日本におけるクィア・スタディーズの構築」研究グループ(〈理論・教育〉クラスタ)
女性身体の/と表象
講師:程 斯(東京大学大学院総合文化研究科)
日時:2021年1月14日〜2021年3月25日 木曜日 19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館
対象:10代後半以上
1/14 イントロダクション:女性、身体、そして表象
1/28 女性による女性身体表象の試み:本質的な「女性身体」をめぐって
2/11 身体表象との対峙:同一化と距離
2/25 表象としての身体
3/11 それでも重要な生きられる身体:トランスジェンダー理論から
3/25 彼女たちは何を聴いている:アニメ・キャラクターの身体性と声/優、そして少年愛カセットと女性のセクシュアリティ
2018年
トランスジェンダー理論—クィア理論の(悪魔の?)双子
講師:山田秀頌(東京大学大学院総合文化研究科)
日時:2018年10月24日〜2019年1月09日 水曜日 19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館
対象:10代後半以上
10/24 イントロダクション:フェミニズム、クィア、トランスの緊張関係
11/07 トランスセクシュアリティの成立とフェミニズム:言説的権力としての精神医学
11/21 トランスジェンダー運動の台頭とクィア理論:ジェンダー二元論の脱構築と医療批判
12/12 トランスセクシュアルのクィア/トランスジェンダー批判:物質としての身体を巡って
12/26 権利主体としてのトランスジェンダーとネーション
01/09 国境を越えるトランスの冒険:日本におけるGID医療・法とその陰画
2017年
講師:半田ゆり(東京大学大学院総合文化研究科)
日時:2017年10月25日〜2018年1月10日 水曜日 19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館
対象:10代後半以上
10/25 イントロダクション:クィア理論とは何か
11/08 フェミニズム美術史による美術史の「解体」
11/22 主体・欲望・表象:イメージと精神分析
12/06 有徴・可視:エイズ危機における可視性の戦略、その射程
12/20 様式(スタイル)としてのクィアとその商業的回収:90年代以降の展開
01/10 「女性アーチスト」が明らかにするもの:発掘し、告発し、連帯する
2016年
クィアに世界をそうぞうするために—解釈の実践としてのクィア理論
講師:ヴューラー シュテファン(東京大学大学院総合文化研究科)
日時:2016年11月9日〜2017年1月18日 水曜日 19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館
対象:10代後半以上
11/9 イントロダクション①:クィア、クィア理論とその歴史的条件
11/23 イントロダクション②:クィア批評とその理論的基礎
12/07 歴史と言葉は誰のもの?正典の問題とエクリチュール・フェミニン
12/21 クローゼットの認識論と視覚性のアンビヴァレンス
01/11 パフォーマティヴィティと表現の暴力性
01/18 パロディ、フェティシズム、そして草間彌生
2015年
レズビアン・からだ・クィアー連帯の政治を問い直すー
講師:佐々木裕子(東京大学大学院総合文化研究科)
日時:2015年10月28日〜2016年1月6日 水曜日 19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館
対象:10代後半以上
10/28 イントロダクション:レズビアンとクィア・ムーブメント
11/11 HIV/AIDSと女のからだ
11/25 身体の(クィアな?)差異
12/09 身体に傷をつける
12/23 瑕疵なき身体と怪物的なもの
01/06 アンハッピー・クィア
2014年
差異をめぐるクィアのアンビヴァレンス―言説の裏側に応答すること
講師:羽生有希(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程)
日時:2014年11月05日〜2015年1月7日 水曜日19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館
対象:10代後半以上
11/05 イントロダクション:差異と越境、連帯と分離
11/19 クィア理論の歴史的条件:運動史と理論史?
12/03 規範の強制的反復と引用:ジェンダーのパフォーマティヴィティ
12/17 魅惑の本質主義?:認識と生存の枠組みを問うバトラー/イリガライ
1/07 「男たちの間」にあるもの:制度批判としてのクィア・リーディング
1/14 自由/寛容の名の下に:クィア理論と新自由主義との危険な関係
2013年
解放運動からクィア・ムーブメントまで:人種、ナショナリズムとセクシュアリティの政治
講師:高内悠貴(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程)
日時:2013年10月16日〜2014年1月8日 水曜日19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館
対象:10代後半以上
10/16 イントロダクション
10/30 第二次大戦以前:同性愛カテゴリーの発明
11/13 1950年代:ホモファイル運動
11/27 1970年代:ゲイ解放運動
12/11 1980年代:エイズアクティビズム
1/8 9.11とLGBT運動:ホモノーマティビティとホモナショナリズム
クィア理論入門公開連続講座プレイベント『UNITED IN ANGER −ACT UPの歴史−』上映会&トーク
10/5 14:00-17:30 @ 東大駒場キャンパス
トークゲスト:
菅野優香(クィア批評、フィルム・スタディーズ。小樽商科大学)
高内悠貴(アメリカ史、クィア・スタディーズ。東京大学大学院総合文化研究科)
司会: 清水晶子(フェミニズム/クィア理論。東京大学大学院総合文化研究科)
主催: 科研費(基盤B)「日本におけるクィア・スタデ ィーズの構築」、連連影展FAV
2012年
ままならない〈わたし〉:クィアな生存可能性
講師:岩川ありさ(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程)
日時:2012年10月17日〜2013年1月9日 水曜日19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館
対象:10代後半以上
10/17 イントロダクション:AIDS危機と悲嘆可能性
10/31 〈わたし〉の適切な表明:クローゼットとカミングアウト
11/14 なりたい〈わたし〉になりたい:パフォーマティビティと強制的反復
11/28 見られる〈わたし〉≠〈わたし〉:トランス理論の展開
12/12 傷つきやすさのポリティクス:ネオリベラリズムと他者への依存
1/9 〈わたし〉を可能にする条件:越境の可能性と不可能性
2011年
クィアな可視性をめぐるポリティクス
講師:井芹真紀子(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程)
日時:2011年10月19日〜2012年1月9日 水曜日19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館
対象:10代後半以上
10/19 イントロダクション
11/2 沈黙=死:エイズ危機とドラァグ
11/16 見えない差異:フェムレズビアンとトランスセクシュアル
11/30 クローゼットってなに?パスとカミングアウト
12/14 選ばないことを選ぶ:クィア障害学と特権的身体
1/18 女性が女装する:ギャルの商品化とホモノーマティビティ
2010年
講師:川坂和義(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程)
日時:2010年11月10日〜2011年1月26日 水曜日19:30〜21:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館
対象:10代後半以上
11/10 イントロダクション(ジェンダーとセクシュアリティ
11/24 父との危険な関係:精神分析と解釈の政治
12/8 フーコーとエイズ危機
12/22 異性愛を問いなおす:ジュディス・バトラーとイヴ・セジウィックの試み
1/12 政治とクィアと当事者:日本のセクシュアリティ研究の展開
1/26 現代において〈政治的〉であるというのはどういうことか?クィア研究の展開と課題